一桥教员の本
暴力 : 比較文明史的考察
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暴力 : 比較文明史的考察 |
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山内进, 加藤博, 新田一郎編 東京大学出版会 2005年1月刊行 ISBN:9784130201391 本体4,600円+税 | ||
编者绍介:, |
编者コメント
近代社会は私的暴力を否定する。暴力を独占する国家だけが警察力や軍事力を行使し、国家以外の集団が自由に暴力を振るうことは許されない。もしそのような社会があるとすると、それは野蛮な社会である。この常識は国際社会においても自明とされ、国際政治の下では国家だけが唯一のアクターであるとされてきた。しかし、20世紀後半から21世紀初頭にかけて明らかになってきたのは、暴力行使の主体は国家だけではないということである。宗教や民族の誇り、部族や家の名誉、伝統や慣習など国家とは異なった、国家を超える価値観が人々を動かし、しばしば暴力へと走らせている。そのような価値観や慣習、歴史、感情の総体が文明である。「文明の衝突」が語られる21世紀においてこそ、文明と暴力の関係を多角的、多面的に考察することが必要である。このような認識のもとに行われた共同研究の成果が本書である。それぞれの分野における第一線の研究者たちが協力して完成したもので、独創的な学際的研究といえる。(山内进)