一桥教员の本
貧困と脆弱性の経済分析 : 開発経済学の挑戦
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貧困と脆弱性の経済分析 : 開発経済学の挑戦 |
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黒崎卓着 勁草書房 2009年1月刊行 ISBN: 9784326546015 本体3,400円+税 | ||
刊行時着者所属 : 黒崎卓(一桥大学経済研究所) |
着者コメント
世界の開発途上国の多くには依然として、深刻な貧困問題が残っています。児童の多くが小学校にすら行けず、慢性的な栄養不良が蔓延し、治療法が100年以上前に確立しているような軽微な病気で人々が命を落としていくような問題が、本書の取り上げる貧困と脆弱性の問題です。途上国の貧困削減は、現在、国際開発機関の援助政策の最終目標に位置づけられ、多くの途上国がその目標達成に向けてさまざまな努力を続けています。このために必要なのが、客観的根拠に基づいた貧困の実態分析と貧困削減政策の評価です。本書はこれらに関する近年の研 究動向を展望します。類書にない特色としては、家計の動学的ミクロ分析における重要概念となっている脆弱性について、ミクロ経済学の理論と関連づけつつ詳しく議論していることが挙げられます。