一桥教员の本
アメリカ合众国と中国人移民-歴史のなかの「移民国家」アメリカ-
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アメリカ合众国と中国人移民-歴史のなかの「移民国家」アメリカ- |
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贵堂嘉之着 名古屋大学出版会 2012年2月刊行 ISBN : 978-4-8158-0690-3 本体5,700円+税 |
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刊行時着者所属:贵堂嘉之(一桥大学大学院社会学研究科教授) |
着者コメント
本书は、アメリカ合众国における中国人移民排斥の歴史についてこれまでに书き溜めた既出论文をまとめなおし、「移民国家」アメリカの神话化されてきた歴史像をアジアから问い直したものです。奴隷国家から移民国家への転换を図るアメリカにおいて「中国人问题」が、いかに国民国家编成に重要な役割を果たしたのかを解き明かしました。人种、ジェンダー、阶级が交错する社会史として、また环太平洋と环大西洋の歴史がヒトの移动を通して连锁するグローバル?ヒストリーとしても楽しめると思います。
アジアからアメリカ史を問い直す根本的な問いを発することはどうしたら可能になるのか。そう考える中で、本書のテーマは練り出されたものです。その問いが意義あるものとなったかの判断は読者に委ねるしかありませんが、着者としては、アジア系アメリカ人史やアメリカ移民史の専門家のみならず、中国近代史や日本近代史に関心を持つ方々、奴隷や不自由労働を含む国際労働力移動の歴史や理論、環太平洋/環大西洋史のグローバル?ヒストリー、オリエンタリズムや人種主義、差別の歴史に興味を持つ方々にも広く手にしてもらえることを期待しつつ、記述においても、できる限り広い読者を想定して配慮したつもりです。風刺画を史料として多用した方法論的挑戦もどのように評価されるのか、読者からの反応を楽しみに待ちたいと思います。