一桥教员の本
日本の学校受容 : 教育制度の社会史
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日本の学校受容 : 教育制度の社会史木村元编着 |
着者コメント
こんにち、学校に行くことが自明のことになるなかで、不登校者が増え、改めて就学することの意味が问われている。そもそも就学は日本の社会にどのように定着してきたのか。
本书では法制的な宣言や文部统计での就学率をそのまま学校受容の指标にしてはいない。学校を卒业し、「行け」といわれるわけではないのにその后も学校に通い続ける时期に至って学校の社会への定着と见ている。としてみると、それは1930年代まで待たねばならないというのが本书の立场である。本书の课题は、この时期の日本の学校と教育の検讨を踏まえてこんにちの就学を支える构造を考えること、なかでも就学が自明となる时期に学校の制度がどのように「生きられた」かを検讨することである。「生きられた」というのは制度にそのまま従属するのでもなく、制度から自由というものでもない、いわば折り合いをつけて学校という制度をなり立たせていた状况を表している。学校を成立させる関係のコアには「教える」という行為があるが、文化の伝达はなにも「教える」という行為だけでなされるものではない。これに対して学校はあえて「教える」ということを组织化した时空间を作り上げた制度であるといっていい。本书では、こうした学校のコアに位置する制度化された「教える」ことの変容に焦点を当て、そのうえでどのようにして学校が成立していたのかについてその存立の基盘に検讨を加えたものである。