一桥教员の本
計画の創発 : サンシャイン計画と太陽光発電
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岛本実着 |
着者コメント
东日本大震灾以后、政府は高い目标を掲げて再生エネルギーの导入普及に努めている。経済产业省は、2030年の日本のエネルギーミックスにおいて、再生エネルギーの电源比率22?24%を目标に掲げている。その実现のためにはどういった方策が有効であろうか。ただし新技术の开発?実用化は、政府が予算を付与するだけで自动的に进むものではない。
実は、今をさかのぼること约40年前の第一次石油危机の际に、すでに日本では再生エネルギー开発の壮大な国家プロジェクトが存在していた。それがサンシャイン计画である。
本书はこの国家プロジェクトの歴史と组织を、复眼的な视点から明らかにすることを目的としている。
第1のケース(第3章)では、サンシャイン计画の歴史が技术的合理性の観点から记述される。そこからは主に太阳光発电システムの技术开発の过程を题材に、行政官や公司人たちが有望な技术を选択し、共同でその技术开発に努めたプロセスが记述されていく。残念ながら1980年代中期に石油価格が低下してしまったので、结果的に再生エネルギーの导入目标は达成できなかったが、それでも太阳光発电は现在かなりの程度普及した。このケースはこうした美しい物语として描かれる。
视点の転换Ⅰ(第4章)では、第1のケースが合理モデルという発想に準拠しており、政策担当者や公司関係者の合理的判断能力が过度に强调されていたことが指摘される。その视点ゆえに、技术开発の成功はその成果であり、また导入目标の未达成は想定外の外部要因の変化であると解釈されることになった。しかしながら、この视点ではうまく説明できない现象が计画には数多く存在していた。
第2のケース(第5章)では、视点を転换して计画の歴史が组织的合法性の観点から记述されていく。组织や制度には惯性が働くので、ルーティンに沿って手続き通りに物事を进めることで计画を持続させようとして、多くの奇妙なことが起きたことがわかる。例えばサンシャイン计画で最も多くの予算が费やされたテーマは太阳ではなく石炭関係であった。技术开発の成功可能性というよりは、税制上の理由で予算的に确保しやすいテーマが选ばれたのである。结局、计画は导入目标を达成できないまま长期间存続し続けた。このケースでは、计画の不都合な里面が暴かれる。
视点の転换Ⅱ(第6章)では、第2のケースが自然体系モデルという発想に従っており、组织の存続に向けての合法性の确保が、技术的な合理性とは一致しない状况で计画を持続させたことが指摘される。技术开発が成功しそうにないテーマも长く存続し続けたことを考えれば、导入目标の未达成も必然の结果であるということになる。しかしながら、この视点ではなぜ计画の涡中の人々がそのような行动を採ったのかということが説明されない。
第3のケース(第7章)では、再度、视点を転换して今度は计画の歴史が社会的合意のプロセスの観点から记述される。ここではインタビューや当时の一次资料に基づいて、计画に参画した个々人のその时々の意味の世界が明らかにされていく。そこには、政策を何とか成立させ、自分の技术に予算を得ようとして组织や社会にアピールする人々の生身の世界が见えてくる。自らの技术の将来性を信じて、危険な桥を渡ることをいとわない公司人や研究者の呉越同舟の相互作用が、ボトムアップ的に计画を作り上げてきたことが明らかにされていく。そうしたところにこそ、计画を创発させるアントレプレナーたちがいたのである。『计画の创発』という本书のタイトルは、そうした国家プロジェクトの歴史の実像を指している。
このように歴史上1回だけ生起した现象に対しても、あえて复数の理论的分析枠组みから説明を与えようとすることによって、见えてくる视野は広がる。自らで复数の対立仮説を构筑し、それらを竞わせることは、あたかも复数の方向から光を当てて物体を観察するがごとき试みである。実はそのことこそが、歴史研究と理论研究を架桥する有効な方策となる。本书はそれを试みたものである。
∗ English version
&苍产蝉辫;『National project management : the Sunshine Project and the rise of the Japanese solar industry』
(Springer, 2020)