一桥教员の本
非常時対応の社会科学: 法学と経済学の共同の試み
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齐藤诚, 野田博编 |
着者コメント
『非常时対応の社会科学:法学と経済学の共同の试み』と题した本书は,日本学术振兴会の「课题设定による先导的人文学?社会科学研究推进事业」(以下,课题设定事业と略)において,课题设定事业委员会が提案した研究テーマである「非常时における适切な対応を可能とする社会システムの在り方に関する社会科学的研究」に関して,2013年度から2015年度にかけて取り组んできた研究の成果を取りまとめたものです。
課題設定事業においては,(1) 学際的な研究プロジェクトであることと,(2) 研究者と実務家が有機的に結び付いた研究フォーラムであることが求められました。(1)については,一桥大学の法学研究科と経済学研究科の研究者が中心となって,研究プロジェクトのメンバーを構成しました。一方,(2)について法学班では,非常時対応の法実務に精通した弁護士の方々の協力を仰ぐとともに,経済学班では,行政実務経験が豊富な研究者を中核メンバーとしました。
本书では,非常时対応のトピックスについて,以下の5部构成によって多角的に考察しています。
第1部 自然灾害からの復兴─行政的な视点
第2部 非常时における民间の行动规范─福岛 第一原子力発电所事故を事例として
第3部 事前的なリスク対応─金融危机と财政危机
第4部 事后的な损失负担─原子力损害赔偿をめぐって
第5部 危机対応と财政制约
本书の终章では,上の5つの部で展开された议论を踏まえて,非常时における裁量と规范に関する若干の考察を行っています。なお,第1部の内容については,2015年9月4日に仙台市で実施した公开シンポジウム「非常时における行政対応」でも报告いたしました。大変にありがたいことに公开シンポジウムには,150人を超える方々に来ていただきました。
本研究プロジェクトを引き受けることになった2年前,本当にプロジェクトを完遂することができるのかどうか,私たちにはまったく自信がありませんでした。同じキャンパスにいながら日顷は话す机会など灭多になかった経済学研究者と法学研究者が集った合同研究会は,当初,竜马不在の萨长会合のように静まり返っていました。しかし,季节の和菓子の话题から研究会を始めることが恒例になってからは,メンバーどうしが次第に打ち解けていった结果,合同研究会の议论も徐々に活発となりました。
こうして本书を公刊することができました。今は、その安堵と紧张とが入りまじった気持でおります。そして、あらためて,多くの人々に対して深く感谢するばかりです。本当にありがとうございました。