一桥教员の本
マクロ経済学 新版
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齐藤诚, 岩本康志, 太田聰一, 柴田章久著 |
着者コメント
「大学4年间使うことができる」というコンセプトで编まれた本书に他の学部レベルの教科书と大きく异なる特徴があるとすると,第1に,国民経済计算に代表されるマクロ経済统计の解説に十分な纸幅を割きながら,マクロ経済统计の有用性とともに,その限界を详しく论じている。マクロ経済统计に対して真挚な态度を保つことこそが,マクロ経済学を学んでいく上でもっとも重要なステップの一つである。
第2に,滨厂-尝惭モデルや础厂-础顿モデルなどのケインズ経済学の中核的モデルを论じる场合においても(主として,第滨滨部),ハイエクの経済学が重视した相対価格が果たす役割に焦点をあててきた。たとえば,开放経済モデルを解説している第9章では,これまでの学部生向け教科书が明示的に取り扱ってこなかった交易条件(输出価格と输入価格の间の相対価格)が果たす役割をクローズアップした。详细は本文に委ねるが,マンデル?フレミング?モデル(滨厂-尝惭モデルの开放経済バージョン)に交易条件を明示的に取り入れることで,21世纪の日本経済が直面した国际环境をより正确に记述できることを示した。
第3に,第滨痴部で展开した経済モデルを中心に,できる限りシンプルな理论的枠组みにおいて,ハイエクの経済学が重视した动学的な资源配分の侧面を取り入れるようにしてきた。たとえば,第15章では,伝统的な政策手法に比べてきわめて积极的な金融政策(长期国债の积极的な买入,為替政策としての金融政策,ゼロ金利やマイナス金利に対する政策コミットメント)についても,简単なマクロ経済モデルを用いながら,それらの政策の动学的侧面について详细な解説を试みてきた。
また,第16章では,できる限り平易にラムゼー?モデルを解説しながら,长期的に见てどのような资源配分が望ましく,どのようなものが望ましくないのかを考察してきた。具体的な例としては,仮にマイナスの実质金利で物的资本が过剰に蓄积していく経路に陥ったマクロ経済は,资产価格バブルが生じ,结局はバブルの崩壊をもって长期的に维持可能でないような事态に至ってしまうことを示してきた。
第4に,読者が,第1の点と,第2,第3の点を结びつけられるような工夫を凝らしてきた。すなわち,マクロ経済统计を用いたいくつもの実証事例(しかし,决して高度な计量経済学に依拠していない事例)を通じて,マクロ経済モデルにおける相対価格の役割や动学的な侧面にかかわる重要なインプリケーションを,日本経済のマクロ経済统计によって実証的に吟味できることを示してきた。読者には,生きのよい日本経済の実証事例を通じてマクロ経済学の知识に実践的な意义のあることを実感してほしいと思っている。
790页と大部な教科书であるが,4年かけて読み上げることを通じてマクロ経済学の醍醐味を堪能してほしい。