一桥教员の本
汉字廃止の思想史
![]() |
安田敏朗着 |
着者コメント
「汉字廃止论」なんていまや意味をなさないのではないか、と思うのが普通です。たしかにそうかもしれません。しかし、明治以降、汉字廃止论(あるいは制限论)は、一定程度の説得力をもって存在しつづけてきました。いま现在意味がない(と思われる)からといって、ばっさり切りすてるのは何とも味気がありません。本书では、汉字廃止论が意味をもっていた时期、それぞれどういった根拠でとなえられてきたのか、をやや详しく検讨しました。カナモジ论が中心的な话题になりますが、文明化、効率化、マルクス主义、民主主义などなど、その时その时の先端的な思想に乗っかる形で汉字廃止论が展开されてきました。もちろん大きな反発もあり、「思想戦」とでも形容できるような事态も生じました。そこでなされてきた议论をふりかえり、その延长线上で、汉字廃止あるいは制限がもつ现代的意味も考えてみたいと思います。何気なくパソコンのキーボードをたたいて日本语の文章をつづっているわけですが、それほど汉字は近しいものなのでしょうか。日本语の表记のあり方を考えてみるきっかけになれば、幸いです。