一桥教员の本
終わらないフェミニズム : 「働く」女たちの言葉と欲望?
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日本ヴァージニア?ウルフ协会, 河野真太郎, 麻生えりか, 秦邦生, 松永典子編 |
着者コメント
本书は、20世纪前半のイギリスの、いわゆるモダニズム文学を代表する作家であるヴァージニア?ウルフを研究する学会、日本ヴァージニア?ウルフ协会による论集です。ヴァージニア?ウルフはモダニズム作家としてだけではなく、『私ひとりの部屋』や『叁ギニー』といったエッセイによって、フェミニストとして着名であり、20世纪の英语圏におけるフェミニズム文学研究の中心には常にウルフがいたと言っても过言ではありません。
しかしそのフェミニズムの现状とはどのようなものでしょうか。本书ではとりわけ、第二波フェミニズム以降(おおまかには1990年代以降)を「ポストフェミニズム」と名づけ、フェミニズムの现状を再検讨します。ポストフェミニズムにおいては、第二波フェミニズムや「ウーマン?リブ」における女性解放への衝动が、资本主义への取り込みを受けた部分があります。つまり、女性の解放が会社におけるキャリア形成へと限定されるような状况です。それが正しいとするなら、新たなフェミニズムは改めて「労働」と「连帯」を问题とするものにならなければなりません。その労働とは赁金労働だけではなく、再生产労働やケア労働も含めた広い意味での労働であり、その労働のあり方によって分断をこうむった女性同士の连帯を、いかにして再検讨できるのか。
本书はそのような现在的な视点から、ウルフを含む20世纪の文学作品や映画作品を逆照射し、新たな読みを提示する试みです。ウルフ研究者やイギリス文学?文化の研究者のみならず、広くフェミニズムに関心を持つみなさんに手にとっていただければと思います。