一桥教员の本
グロティウス『戦争と平和の法』の思想史的研究 : 自然権と理性を行使する者たちの社会
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山内进着 |
着者コメント
フーゴー?グロティウスは「国際法の父」として着名な思想家で、高校の教科書でも名前が必ずといってよいほど出てきます。しかし、研究のほうは、たとえば、同時期のトマス?ホッブズと比べると、はるかに手薄です。とくに、日本での研究成果が非常に少ないのは不思議なほどです。「国際法の父」なので、国際法に関心のない人には興味がわかないということかもしれません。しかし、それは違う、というのが本書で私が強調したことです。
グロティウスの『戦争と平和の法』は国家と国家との関係を规律する国际法の分野に考察の対象を限定していません。例えば、そこで论じられている戦争には、国家间の戦争ではない「私戦」も含まれています。含まれているだけでなく、「私戦」もまた「公戦」と同様に合法だと明记されています。おもわず、「えー」といってしまうような话ですが、カール?シュミットはそこに着目して、グロティウスの近代性に多大な疑问を提示しています。しかし、私は、そうであるからこそ、グロティウスの『戦争と平和の法』ははるかに広大な射程をもち、近代的で现代性すらもっている、と本书で主张しています。
なぜそのようにいえるのか。そう思った人は本书を纽解いてみてください。ヒントは副题の「自然権と理性を行使する者たちの社会」です。