一桥教员の本
戦後日本の文化運動と歴史叙述 : 地域のなかの国民的歴史学運動
![]() |
高田雅士着 |
着者コメント
本書は、着者が2020年3月に一桥大学大学院社会学研究科に提出した博士論文をもとにしたものです。地域における国民的歴史学運動の展開に注目することで、戦後日本の文化運動と歴史叙述のありようについて検討することを課題としています。
国民的歴史学运动とは、1950年代前半に歴史研究者によって提唱された运动で、そこでは人びとが自分たちの身の回りの歴史を书いていくことが目指されました。しかし、日本共产党の当时の政治方针とも密接に结びついた运动でもあったため、运动が「挫折」した后、歴史学界においては学问を政治に従属させた「忌まわしき过去の悪梦」として长年タブー视されてきたという経纬があります。
本书では、そうした国民的歴史学运动の内実について、地域の视点から再検讨することを试みました。运动の歴史をタブー视してきたのは、あくまで中央の歴史学界や歴史研究者たちであり、运动が実际に展开された地域社会においては、また异なる受け止め方があったのではないか、という関心が出発点になっています。歴史と社会、歴史と人びととの関係性とはいかにあるべきか――。そのような问いを、国民的歴史学运动を通じて検讨した一册です。ぜひ一度お手にとってみてください。