一桥教员の本
てつがく広場 創刊号
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稲岡大志 [ほか] 編 ; 八幡さくら [ほか] 著 |
着者コメント
本書は、中高生を中心に哲学に興味をもつ幅広い世代の人々に哲学の楽しさを体感させてくれる雑誌だ。本書はエッセイや投稿、アンケートなど多種多様なコンテンツによって構成されている。そのコンテンツは大きくわけて三種類ある。①様々な哲学者がエッセイの中で提起する「問い」《問いかけ型》。ここでは、わたしたちが身近に出会うコトやモノについて「問う」。 これらのエッセイを通して読者は問い方の多様性、問題の考え方や整理の仕方を知ることができる。②中高生と哲学者との交流《双方向型》。文通(メール)を通した対話などがこれにあたる。③中高校生?大学生が参加?活動する空間を作る《参加型》。写真やメールを介して、読者を巻き込んでいく仕組み。これによって「自分だったらどう哲学するかな?」「こんな企画はどうかな?」と読者自身が考えることを促す。
「哲学する」ことは哲学研究への入り口だ。「哲学する」こととは、自分の思考形式や価値観を反省することであるのに対して、哲学研究は哲学者の思想を学ぶことであり、つまり、哲学者の思考を辿ることである。それゆえ、哲学研究は「哲学者と対话すること」だと言えよう。
哲学するための色んな问いはすぐそこにある。身の回りにあるモノやコトに一度目をとめてみよう。「问う」ことの楽しさを味わってみることが哲学の入り口だ。(八幡さくら)