令和元年度 学部学位记授与式 式辞
令和2年3月19日
一桥大学長 蓼沼宏一
卒业生の皆さん、ご卒业おめでとうございます。
今年の卒业式は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、学部别に规模缩小?时间短缩の上、挙行することといたしました。しかし、これはあくまでも全学の式典であり、檀上にいる役员と4学部长すべて、そして全教职员とともに、卒业生一人ひとりの门出をお祝いいたします。
本日、卒业する皆さんに、まず、これからの人生に幸多かれと心からお祈りいたします。それぞれの进む道で自ら豊かな人生设计をされ、それを実现されることを愿っています。
世界には、今回の感染症拡大と経済の混乱のように、时として思わぬ困难な问题が生じます。人类の歴史を振り返っても、疫病、灾害、戦乱などが絶えることはなく、その时々で人间は限界に直面し、误りを犯すこともありながら、人々の英知と协働によって困难を乗り越えてきました。今后しばらくは、世界の混乱は続くと思われますが、その先の光を求めて共に歩んでいきましょう。
さて、皆さんが活躍するこれからの時代には、社会経済のシステムが大きく変化していくと予想されます。科学技術が急速に進歩し、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ等が活用されて、サイバー空間とフィジカル空間が高度に結びつけられるようになれば、社会経済の仕組みも大きく変わることでしょう。いま必要なのは、望ましい未来社会の在り方を構想し、そこに至る道筋を設計することです。そのときには、社会とは何か、自由とは何か、ひとの幸せとは何か、といった根源的な問いにまで遡る必要があります。
他方で、现代には経済の不安定性、人口の高齢化と医疗、地球环境など、様々な社会课题が山积しています。これらの课题をエビデンスに基づいて把握し、因果関係を解明し、进歩する科学技术も活用しつつ、课题解决に努める必要があります。つまり、未来の在り方から出発する思考と、现実にある课题から出発する思考の両方が必要なのであり、最终的にその両者が繋がったとき、私たちはよりよい社会を実现することができるのです。
このような時代こそ、一桥大学で社会科学を学んできた皆さんが活躍するときです。皆さんは、専門分野を深く学ぶことを通じて論理的思考力と規範的判断力を磨くとともに、少人数ゼミナールなどにおける教員や友人との対話を通じて、互いに学び合い、誤りを正し、協力によってさらによりよいものを作り上げていく経験をされたことと思います。本学で学ぶことによって培われた皆さんそれぞれの能力は、社会に出てから様々な場で他者と共に働くときにも必ず活かされると思います。
すべての卒業生にとって、一桥大学は「港」のような存在でありたいと私は考えています。様々な社会経験を経て多くの課題に気づくとき、現場での知識や経験のみでは切り抜けられず、正しい判断をするために基礎となる学問が生きてくることもあるでしょう。
さらに、科学技术が急速に进歩する中で、経営?管理や高度専门职に携わる人にも、数理的推论やデータ分析を駆使して社会や経済を捉える高度な力が求められるようになってきています。知识やスキルが陈腐化するスピードも速くなっていますから、社会に出てからも、文系?理系の枠を超えて学び続ける必要があります。そのとき、皆さんが再び大学という落ち着いた场で学びたいと考えたならば、思う存分学ぶことができる、そのような场を提供し続けていきたいと思います。
そして大学は、学问が机上で孤立したものではなく、世の中で抱えている课题を背负ったときに生かされるように努めていくべきです。ですから私たちもまた、皆さんがそれぞれの现场で见出した问题意识を大学に投げかけてくれることを期待しています。経験と理论がぶつかり合う中から新たな知が生まれてきます。その创造のプロセスを共に歩もうではありませんか。
世界に漕ぎ出していく皆さん、顺风満帆の时も、嵐の时も、磨かれた己の知と感性を駆使し、惧れることなく道を切り开いていってください。
そのエールを送り、私からの饯の言叶とさせていただきます。