一桥教员の本
寻找巴金
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坂井洋史着 |
着者コメント
本書は巴金故居が企画した「回望巴金」叢書全十冊の一で、拙着『巴金論集』(復旦大学出版社、2013年)刊行以降に中国で発表した巴金関係の文章及び『論集』未収録の自序跋類を収めました。
内容は大きく叁つに分かれます。第一は「文学性」をキー概念に、閲読、ナラティヴ、叙述主体の问题を考察したもので、学术シンポジウム、レクチュアの提出论文や讲演原稿をまとめました。第二は新発见、稀见资料の绍介を中心とした「考証もの」、そして第叁が自序跋文です。第一のものは当初の発表、公刊の形态に制限され、前述の问题の考察を緻密に展开したものではありませんが、「文学によってしか表现できないもの」に関する思考の前提は明确に提示してあります。第二のものは、中国近代文学研究、巴金研究への実証面におけるささやかな贡献であると同时に、掌故小品として比较的気楽な閲読に供する読み物でもあります。第叁のものにもいくらか议论が含まれますが、基本的には自分のための记念として収録しました。
ここに収録した诸篇より后にも、「寻找」即ち探求を旨とした同倾向の文章を书き継いでおりますので、それが一定の分量に达したら、また同様の文集にまとめるつもりです。